5月31日は「世界禁煙デー」、5月31日から6月7日は「禁煙週間」です。“喫煙が当たり前になっている” “タバコを吸わないと落ち着かない” そんな毎日を過ごしている皆様も「自分のため・家族のため・周囲の人のため」に禁煙に挑戦してみましょう。
喫煙は、依存性や受動喫煙も踏まえると個人にとどまらない健康問題です。受動喫煙による年間死亡者数は推定1万5千人であり、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性は約4.7倍(厚生労働省 喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書 H28.8)になると報告されています。子どもは体が小さく、体重当たりの有害成分量が多くなるため、受動喫煙の悪影響が出やすくなります。
下図は、「阿蘇市の小中高生による喫煙経験の有無」を表しています。喫煙経験があると回答した人は小学生1.3%、中学生0.7%、高校生8.5%であり、未成年へのタバコのリスクに関する教育も重要です。
未成年での喫煙は、成人後に喫煙を開始した場合と比べて、がんや虚血性心疾患などの危険性が高くなります。肺がんでは、20歳未満で喫煙を開始した場合の死亡率は、非喫煙者に比べて5.5倍になるといわれています(厚生労働省 平成18年開催 第2回たばこ対策関係省庁連絡会議 資料7 喫煙の健康影響について)。
下図は、阿蘇市における令和元年から令和4年までのがんによる死亡状況を表したものです。
男性では、「気管、気管支及び肺」の死亡者が令和2年を除き最も多いことが分かります。また、令和4年は3年に比べて5.6%増加しています。女性では、令和4年は「膵臓がん」による死亡が最も多いですが、「気管、気管支及び肺」による死亡も15%と全体の6分の1程度を占めています。「気管、気管支及び肺」のがんによる死亡者は男女ともに上位に位置し、特に男性においては「気管、気管支及び肺」のがんが目立って多いことから、禁煙・受動喫煙防止が重要であるとわかります。
喫煙は、喫煙者本人だけでなく周囲の人にも悪影響を及ぼし、未成年での喫煙は更に危険性を高めます。この機会に、禁煙をしたいと考えている方は禁煙及び受動喫煙防止、そして喫煙者の方も受動喫煙防止に努め健康寿命を延ばしましょう。