口腔ケアで全身の元気を守りましょう

口腔の健康状態と全身の健康状態の関連について

むし歯や歯周病などの口腔疾患は様々な全身疾患と関係していると言われており、口腔の健康状態は全身の健康状態と密接に関わりあっています。

歯周病とは

歯周病は、歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。自覚症状が乏しいため気付かないうちに進行します。「歯ぐきが痛い・腫れている・出血がある」などの症状を感じている場合には歯周病の可能性があります。日本人の歯を失う原因の1位は歯周病です。また、歯周病の罹患率は、45歳以上で50%と半数を占めます。歯周病と全身の健康の関係について3つ例を挙げます。

①糖尿病

血糖コントロールを十分に行えず感染に対する抵抗力が低下し、口腔内の菌が増殖しやすいため、歯周病が悪化しやすいと言われています。また、歯周病菌などの菌が毛細血管から血液中に入り込み、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌機能を低下させると言われています。

②誤嚥性肺炎

肺炎は高齢者の3大死因の1つです。誤嚥性肺炎とは、歯周病菌などの細菌が唾液とともに肺に入り、発熱や咳などを生じる肺炎です。高齢者の肺炎の7割は誤嚥に関係していると言われています。

③狭心症・心筋梗塞、脳梗塞

これらの疾患は、動脈硬化に起因します。動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因ですが、その他の原因として歯周病菌などの細菌感染があると言われています。歯周病菌が歯周ポケットから血液中に侵入し、動脈硬化が起こっている血管に感染します。それにより、炎症を起こし血管を狭める作用を促進すると考えられています。動脈硬化予防のためには、歯周病の予防や治療も重要です。

このように虫歯や歯周病などの口腔内の細菌は、全身の健康にも関わっているため、適切な歯磨きや定期的な歯科受診が大切です。

 

阿蘇市の現状(阿蘇市健康増進計画より)

阿蘇市では、幼少期からむし歯を予防するため、歯科検診やフッ素塗布事業などを実施しています。下記のグラフは、1歳6か月児、3歳児、12歳児のむし歯有病者の推移を表しています。令和2年度をみると、全区分でむし歯の有病率が減少しています。

下記のグラフは、小学生、中学生、高校生、成人の定期的な歯科受診などについて調査した結果です。定期的に歯科健診を受けている人は全区分で50%以下です。特に高校生では30%を下回っています。また、口腔内の困りごとがあるが歯科受診をしていない人は中学生・高校生で50%を超えています。

幼少期からのむし歯予防は年々定着し有病率が減少していますが、青年期や成人期になってからの歯科受診率は低く、むし歯や歯周病などの口腔トラブルに繋がることが懸念されます。未成年が歯科受診をしていない理由は様々ですが、中には「連れて行ってくれる人がいない」などの理由もあります。ご家庭で、歯の健康について話し合い、家族みんなで「歯の健康」と「全身の健康」を守りましょう。

  • 市民部 健康増進課
  • 電話 0967-22-5088
    FAX 0967-22-0077