アルコールに関連した健康問題や飲酒運転を含めた社会問題の多くは、多量飲酒者によって引き起こされており、健康問題においては高血圧や食道がん、出血性脳卒中などの発症リスクを高めてしまいます。
アルコールによる健康障害とは
「酒は百薬の長」と言われますが、それは適正なアルコール量を守ることが条件です。過度な飲酒量が長く続くことで、肝機能障害や睡眠リズムを乱し睡眠障害やうつ病といったこころの問題を招くこともあります。
節度ある適度な飲酒とは
厚生労働省では、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を策定しています。以下の1から5の健康に配慮した飲酒の仕方についてご紹介します。
1.自らの飲酒状況を把握する
自分の状態に応じた飲酒により、飲酒によって生じるリスクを減らすことが重要です。医師へ相談したり、AUDIT(問題のある飲酒をしている人を把握するために世界保健機構(WHO)が作成したスクリーニングテスト)などを活用して自らの飲酒の習慣を把握しましょう。
AUDIT(スクリーニングテスト) スクリーニングテスト(PDF)[822KB]
2.あらかじめ量を決めて飲酒する
自ら飲む量を定めることで、過度な飲酒を避けるなど飲酒行動の改善に繋がります。行事・イベントなどの場で飲酒する際は、何をどれくらい飲むか決めて飲むことが大切です。
3.飲酒前または飲酒中に食事をとる
血中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果があります。
4.飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする
飲む量に占める純アルコールの量を減らす効果があります。
5.休肝日を設ける
毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながる可能性があります。1週間の純アルコール摂取量を減らすために、定期的に飲酒をしないようにする等配慮が必要です。
お酒の適量は、年齢や体格、またその日の体調などにより異なります。一般的に成人男性の場合、純アルコールを1日20g以内に抑えることを心がけましょう。
厚生労働省 健康に配慮した飲酒ガイドライン(PDF)[265KB]
女性の飲酒について
女性の飲酒は、男性と比較して体内の水分量が少ないことからアルコールの血中濃度が高くなりやすい、分解できるアルコール量も男性に比べて少ない(酔いやすい体質の方が多い)ことが挙げられます。また、妊娠中の飲酒により、胎児へ胎児性アルコール症候群等をもたらす可能性があります。授乳期中などには、家庭内などの周囲の理解や配慮が必要です。
阿蘇市の現状
令和6年度「健康日本21」(第3次)では、「生活習慣病のリスクを高める(1日当たりの純アルコール量40g以上、女性20g以上)を飲酒している者の減少)を目標とし、男女合わせた全体の目標値として10%を設定しています。
令和5年市民アンケート結果では、毎日飲酒をする方の1日当たりの飲酒量を見ると、2合以上(純アルコール量約40g)の量を飲む男性は26.3%、1合以上(純アルコール量約20g)の量を飲む女性は48.2%という非常に高い結果でした。
阿蘇市では、「生活習慣病のリスクを高める(1日当たりの純アルコール量40g以上、女性20g以上)飲酒の割合の減少」の目標値として、男性は15%、女性は30%を目指します。
その他「依存症」についての情報
アルコール依存症は、回復可能な病気であり、適切な治療と援助を受ける事で、健康を回復することが出来ます。そのためには、ご本人はもちろんのこと、ご家族もこの病気を理解し、対応について学ぶことが大切です。
「お酒をやめないといけない」と思っている人に”依存症からの回復を目指している自助グループ”があります。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)熊本さくらグループ