土地や家屋以外の事業用資産(償却資産)についても、固定資産として課税することとなっています。阿蘇市内に事業用資産を所有する法人または個人で事業を営んでいる方は、申告が必要となります。
償却資産とは
償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるもののうち、その取得価額が少額である資産その他政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない方が所有するものを含む。)をいいます。
例えば、会社や個人で事業を行っている方が事業のために用いることができる構築物、機械類、器具、備品等がこれに該当します。(地方税法第341条第4号)
償却資産の具体例
資産の種類 | 主な償却資産の例示 |
構築物 | 舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板(広告塔等)、ゴルフ練習場設備 |
建物附属設備 | 受変電設備、予備電源設備、その他建築設備、内装・内部造作等 |
機械及び装置 | 旋盤、フライス盤、ボール盤などの工作・作業機械類、食肉加工設備、精穀設備、その他の製造・貯蔵機械設備、クレーン、コンベア等の搬送設備類、太陽光発電設備、バックホー、クレーン等の建設用機械、ガソリンスタンド設備、クリーニング設備等 |
船舶 | ボート、釣船、漁船、砂利採取船、しゅんせつ船等 |
航空機 | 飛行機、ヘリコプター、グライダー等 |
車両及び運搬具 | 台車、フォークリフト、構内運搬具、大型特殊車両(分類番号が「0.00から09及び000から099」、「9.90から99及び900から999」の車両)等 |
工具・器具及び備品 | ドリルなどの工具、陳列ケース、複写機、パソコン等の事務機器、理容及び美容機器、レントゲン等の医療機器、ルームエアコン、応接セット、レジスター、冷蔵庫、自動販売機等 |
以上のようなものなどが事業用資産です。 例えば、ミシンを家庭用として使用している場合には、課税対象となりませんが、縫製工場等で事業用として使用している場合は償却資産として課税の対象となります。
償却資産と家屋の区分
家屋(建物)には、電気設備、給排水設備、衛生設備、空調設備、運搬設備等の建築設備(家屋と一体となって家屋の効用を高める設備)が取り付けられていますが、固定資産税においては、それらを家屋と償却資産に区分して評価しています。
■家屋と設備等の所有者が同じ場合
独立した機器として性格が強いもの、特定の生産又は業務の用に供されるもの等については、償却資産として取り扱います。
例)受変電設備、受水槽、工場の動力源である電気設備、壁掛けルームエアコン等
■家屋と設備などの所有者が異なる場合
賃借人(テナント)等が取り付けた事業用の内装・造作及び建築設備等については、償却資産として取り扱います。当該設備は、賃借人(テナント)等のほうが償却資産としてご申告ください。
(注)「賃借人(テナント)等」とは、家屋の所有者以外の者をいいます。
業種別に見る償却資産例
共通 | パソコン、コピー機、ルームエアコン、応接キット、キャビネット、レジスター、内装・内部造作等、看板(広告塔、袖看板、案内板、ネオンサイン)、自動販売機、舗装路面、ブラインド・カーテン等、LAN設備、その他 |
製造業 | 金属製品製造設備、食料品製造設備、旋盤、ボール盤、梱包機、その他 |
印刷業 | 各種製版機及び印刷機、断裁機、その他 |
建設業 | ブルドーザー、パワーショベル、フォークリフト(軽自動車税の対象となっているものを除く)、大型特殊自動車、発電機、その他 |
娯楽業 | パチンコ器、パチンコ器取付台(島工事)、ゲーム機、両替機、カラオケ機器、ゴルフ練習場設備、ボーリング場用設備、その他 |
料理飲食店業 | テーブル、椅子、厨房用具、冷凍冷蔵庫、カラオケ機器、その他 |
小売業 | 陳列棚。陳列ケース(冷凍機又は冷蔵機付きのものも含む)、日よけ、その他 |
理容・美容業 | 理容・美容椅子、洗面設備、消毒殺菌機、サインポール、その他 |
医(歯)業 | 医療機器(レントゲン装置、手術機器、歯科診療ユニット、ファイバースコープ等)、その他 |
クリーニング業 | 洗濯機、脱水機、乾燥機、プレス機、ボイラー、ビニール包装設備、その他 |
不動産貸付業(賃貸アパートなど) | 受・変電設備、発電機設備、蓄電池設備、中央監視設備、門・塀・緑化施設等の外構工事、駐車場等の舗装及び機械設備、その他 |
駐車場業 | 受・変電設備、発電機設備、蓄電池設備、機械式駐車場設備(ターンテーブルを含む)、 駐車料金自動計算装置、舗装路面、その他 |
ガソリンスタンド | 洗車機、ガソリン計量器、独立キャノピー、防壁、地下タンク、その他 |
売電業 | 太陽光発電設備、フェンス、その他 |
農業・畜産業 | コンバイン、播種機、ビニールハウスなど |
申告
償却資産の所有者は毎年1月1日(賦課期日)現在で所有する償却資産に関する事項(取得年月、取得価格、耐用年数等)を申告することが義務付けられています。(地方税法第383条)
申告していただく方
毎年1月1日現在、償却資産を所有されている方。
なお、次の方も申告が必要です。
- 償却資産を他に賃貸している方
- 所有権移転外リースの場合、償却資産を所有している貸主の方
- 所有権移転リースの場合、原則として償却資産を使用している借主の方
- 割賦販売の場合等、所有権が売主に留保されている償却資産は原則として買主の方
- 償却資産の所有者がわからない場合、使用されている方
- 償却資産を共有されている方
- 内装・造作及び建築設備等を取り付けた賃借人(テナント)の方
- 所有者が死亡した場合は、その資産を承継している方
申告の対象となる資産
申告の対象になる償却資産は、毎年1月1日現在において、阿蘇市内にある事業の用に供することができる資産です。
なお、次に掲げる資産も申告が必要になりますので、ご注意ください。
- 償却済資産(耐用年数が経過した資産)
- 建設仮勘定で経理されている資産及び帳簿外資産
- 遊休又は未稼働の資産
- 改良費(資本的支出:新たな資産の取得とみなし、本体とは区別して取り扱います)
- 福利厚生の用に供するもの
- 使用可能な期間が1年未満又は取得価格が20万円未満の償却資産であっても個別に減価償却しているもの
- 租税特別措置法の規定を適用し、即時償却等をしているもの
(参考)少額の減価償却資産の取扱いについて
地方税法第 341 条第 4 号及び地方税法施行令第 49 条の規定により、下記1~3に記載する資産については、固定資産税(償却資産)の申告対象から除かれます。
- 取得価額 10 万円未満の資産のうち一時に損金算入したもの
- 取得価額 20 万円未満の資産のうち3年間で一括償却したもの
- 地方税法施行令第 49 条ただし書きによる、法人税法第 64 条の 2 第 1 項又は所得税法第 67 条 の 2 第 1 項に規定するリース資産のうち、取得価額が 20 万円未満のもの ただし、下記4、5に記載する資産(3に該当するものを除く。)は、固定資産税(償却資産) の申告対象となりますのでご注意ください。
- 租税特別措置法の規定により、中小企業特例を適用して損金算入した資産
- 少額であっても個別に減価償却することを選択した資産
No | 償却方法 | 取得価額 | |||
10 万円未満 | 10万円以上 20万円未満 |
20万円以上 30万円未満 |
30万円以上 | ||
1 | 一時損金算入 | 申告対象外 | |||
2 | 3年一括償却 | 申告対象外 | |||
3 | リース資産 | 申告対象外 | 申告対象 | ||
4 | 中小企業特例 | 申告対象 | |||
5 | 個別減価償却 | 申告対象 |
(注1)法人税法施行令第113条又は所得税法施行令第138条
(注2)法人税法施行令第133条の2第1項又は所得税法施行令第139 条第1項
(注3)中小企業特例を適用できるのは、平成18年4月1日から令和4年3月31日までに取得した資産です(租税特別措置法第28条の2、第67条の5)。ただし、取得価額が10 万円未満で中小企業特例を適用できるのは、平成18年4月1日から令和4年3月31日までに取得した資産となります。
(注4)個人の方については、平成10年4月1日以後開始の事業年度に取得した10万円未満の資産はすべて必要経費となるため、個別に減価償却することはありません。
申告の対象とならない資産
次に掲げる資産は、償却資産の対象とならないので申告の必要はありません。
- 自動車税・軽自動車税の課税対象となるもの(例:小型フォークリフト等)
- 無形固定資産(例:アプリケーションソフトウェア、特許権等)
- 繰延資産
- 平成10年4月1日以後開始の事業年度に取得した償却資産で、
- 耐用年数が1年未満又は取得価額が10万円未満の償却資産について、税務会計上固定資産として計上しないもの(一時に損金算入しているもの又は必要経費としているもの)
- 取得価額が20万円未満の償却資産を、税務会計上3年間で一括償却しているもの
- 平成20年4月1日以降に締結されたリース契約のうち、法人税法第64条の2第1項又は所得税法第60条の2第1項に規定するリース(所有権移転外リース及び所有権移転リース)資産で取得価額が20万円未満のもの
申告の方法
対象の方は、申告書を作成されて期限までに税務課へご提出ください。
なお、地方税ポータルシステム「eLTAX」(https://www.eltax.lta.go.jp/)による電子申請も可能です。
【昨年申告をされている方】
申告書を郵送しますので、増加した資産、減少した資産を記入してください。
(注)資産に増減のない場合、廃棄の場合、資産の名義人に変更がある場合、申告する資産がない場合は、備考欄にその旨を記載してください。
【初めて申告される方】
次の申告書を印刷していただき、全資産を記入してください。
申告する資産がない場合は、備考欄にその旨を記載してください。
減価償却費に該当する資産(減価償却資産)の明細がわかる所得税・法人税の申告書類などを税務課へお持ちいただければ、その場で申告を行えます。
(書類の例)所得税青色申告決算書、収支内訳書、法人税確定申告書、減価償却資産台帳など。
申告書などの提出期限
毎年1月末日(閉庁日の場合は、翌開庁日)
申告書の提出先
〒869-2695
阿蘇市一の宮町宮地504番地1
阿蘇市役所 税務課 資産税係
電話:0967-22-3148
地方税ポータルシステム「eLTAX(エルタックス)」について
eLTAXとは、地方税における手続きを、インターネットを利用して電子的に行うシステムです。
詳しくはeLTAXのホームページ(https://www.eltax.lta.go.jp/)をご覧ください。
修正および申告漏れ資産について
本来申告すべき年度に申告されず修正及び申告漏れの資産については、遡って5年間の課税更正を行う場合があります(地方税法第17条の5)
不申告または虚偽の申告の罰則
公平・適正な課税のため、正当な理由なく申告されていない場合や、虚偽の申告をされた場合は、地方税法の規定により過料または罰金等が科せられることがあります。(地方税法第386条)
税額の算出、納税通知書の交付
下の計算式により税額を算出し、5月上旬に納税通知書を送付します。
税額=課税標準の合計額×税率(1.4%) |
なお、課税標準の合計額が150万円未満の場合は課税されないため、納税通知書は送付しません。