阿蘇神社(一の神殿・二の神殿・三の神殿・楼門・神幸門(みゆきもん)・ 還御門(かんぎょもん))

阿蘇神社楼門

 

阿蘇神社は、阿蘇開拓の神である健磐龍命(たけいわたつのみこと)をはじめとする十二神をまつり、古代から肥後一の宮として崇敬されてきた神社です。境内正面に楼門、その左右に神幸門と還御門を構え、後方に一の神殿と二の神殿、三の神殿が建ち、左右対称の境内を構成しています。

社殿は、天保6(1835)年~嘉永3(1850)年にかけて肥後藩をあげての社殿再興事業で建てられました。中でも楼門は二階建てに二重の屋根をもつ二重門で、九州最大の二重門といわれています。社殿群は、いずれも軸部や組物などを華やかな彫刻で飾られています。また、脇門にあたる神幸門と還御門は、毎年7月28日に行われる「御田植神幸式」の時のみに使用されるという特徴を持ちます。

阿蘇神社造営の大工棟梁を務めた水谷元吉は当時22歳で、現在の宇城市小川町出身の大工でした。若くしてその実力が認められて棟梁に抜擢された元吉は、その後、肥後藩の御用大工となりました。

阿蘇神社の社殿群は、江戸時代末期の建築的特色がよく表れており、また、造営経緯や大工名も明らかであることから高い価値が認められ、平成19年に国指定重要文化財に指定されました。

平成28年熊本地震では指定された6棟全てが被災し、中でも楼門は甚大な被害を受けましたが、令和5年12月に復旧工事が完了しました。


区分:国指定重要文化財(建造物)

所在:阿蘇市一の宮町宮地

指定年月日:平成19(2007)年6月18日

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