尾籠(おごもり)の六地蔵は、阿蘇市一の宮町手野の尾籠地区にある、約225㎝の石造物です。龕部(がんぶ)と呼ばれる笠の下部分が四面になっており、正面に守護神2体、他の3面に六地蔵が2体ずつ彫られています。
六地蔵は、平安時代中期ごろから発展した信仰で、地獄・餓鬼(がき)・畜生・修羅(しゅら)・人間・天上の六道で迷い苦しむ人々を救うため、地蔵菩薩が六道に応じた姿で現れるというものです。
尾籠の六地蔵の建立は室町時代と推定され、かつて尾籠地区にあった西音寺(さいおんじ)の入り口付近に建てられたという説があります。
阿蘇市内には他にも六角形に彫刻された六地蔵がありますが、4面に2体ずつという形はめずらしいものです。
平成24(2012)年の九州北部豪雨、平成28(2016)年の熊本地震で2度にわたり被災しましたが、いずれも地元の有志の手により復旧しました。
区分:阿蘇市指定有形文化財(建造物)
指定年月日:昭和53(1978)年9月17日