市長挨拶

 このたびの阿蘇市長選挙におきまして、市政を担わせていただくことになりました。職責の重大さを痛感いたしますとともに、市民の皆様からお寄せいただいた期待と信頼にお応えするべく、強い決意と使命感をもって全身全霊を尽くし、職務をまっとうする覚悟でございます。
 
本市最大の課題は、何と言っても人口減少・少子高齢化対策です。
そのために、企業誘致・雇用確保、起業支援、通勤・通学の利便性向上、空き家を生かした移住支援などによる人口の社会増加(転入増)を図っていきます。併せて、子育て支援・高齢者支援をはじめとした福祉の充実や生活環境整備などによる自然増加(出生増)を目指します。
また、学校給食の地産地消や「合宿の里計画」の復活等による農林畜産業・観光業・建設業など地場産業の振興、地域経済の好循環創出や、福祉・医療・教育の充実、生活環境・生活基盤の向上も進めます。
近隣自治体や県との協力・連携も重要です。阿蘇地域全体での「阿蘇ブランド」向上や、地下水など水資源の保護・活用等を図るため、進んで協力関係を築いていきます。
さらに、「いこいの村」「アゼリア21温水プール」「ひのくに会館」「狩尾幹線(ラピュタの道)」、小学校廃校跡などについて、あらゆる手法で財源を確保し、復旧や利活用を目指します。
 市民の皆様に対しては、「誰一人取り残さない」という姿勢で臨んでまいります。このため、災害対策はもちろん、「生きやすさ」増進事業として、皆様のお声を誠実に受け止める市政運営、不登校児童生徒対策、地域の居場所づくり、健康づくり・生涯学習推進、相談体制の整備・強化、人材育成などに取り組みます。
 
 やるべきことは山積しています。
 しかし、本市は本来、ポテンシャル(可能性・潜在能力)が非常に高い自治体です。
巨大噴火の跡地(カルデラ)およびその外輪地域という世にも珍しい地形であること。中岳火口や「涅槃像」、広大な草原などの自然景観。良質な温泉や湧き水などの自然の恵み。独自の歴史・文化・食を誇っていること。本市には素晴らしいものが大変多くあります。きちんと活用して歳入増加につなげ、TSMC進出効果や中九州横断道路開通の好機を上手く取り込めば、必ず人口減少や少子高齢化を乗り切っていけるはずです。
知恵を出し合えば、ピンチはチャンスに変えられます。
負の遺産も、頭を使えばプラスの財産へ転化できます。
出来ない理由を考えるのではなく、出来る方策を工夫しなければなりません。
 可能性は、無限大です。
本市の優れた地域資源を活かしながら、今の時代に合ったデジタル技術の活用、国際化の推進、柔軟な創意工夫による地域振興策などによって、人が集まるまち、選ばれるまちにしていきましょう。
誰もが楽しく暮らせる、希望を持って働ける阿蘇市、そして10年後・20年後・50年後・100年後も素晴らしい自然の恵みが受け継がれ、幸せに住み続けられるまちを、一緒につくっていきましょう。
阿蘇市をより良くしたいと願う人なら全員、同じ仲間です。皆でまちづくりの夢を語り合い、意見を出し合って、阿蘇市の明るい未来を築いていきましょう。
 これからの市政運営は全て「市民の皆様のため、阿蘇市のためになるのか?」が判断や決定の基準です。誠意と熱意をもって、地道に取り組んでまいります。皆様のご協力、ご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

令和7年3月6日
阿蘇市長 松嶋 和子

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