はじめに
今年のゴールデンウイークは、1月23日以降阿蘇中岳第一火口噴火警戒レベル2から4月26日にレベル1に引き下げられ、3カ月振りに火口見学が可能となりました。市内の観光地をはじめ宿泊施設、飲食店などでは、国内外から多くの観光客がお越しになられ、大きな賑わいでした。
しかしながら、5月15日に阿蘇中岳第一火口の火山ガス放出量と火山性微動振幅の増大で噴火警戒レベルが再び2に引き上げられ、これを受けて阿蘇火山防災会議協議会は、火口周辺概ね1km範囲の立入りを規制、わずか19日間の火口見学となりました。27日には、さらに火山性微動の振幅が大きくなり、福岡管区気象台から臨時の火山情報も発表されるなど、不安定な状況にあります。
非常に残念でありますが、登山者、観光客、地域住民の方々の安全を第一に、引き続き関係機関と連携し、活動状況等を注視してまいります。
総務部
総務課
4月1日付けで定期人事異動を行い、新たに19人の新規採用職員を加え、職員総数304名(病院事業出向職員、非常勤の職を除く。)で、新年度をスタートしました。
能登半島地震は、発生から5か月、未だ多くの方々が避難所生活を余儀なくされています。本市は、これまで県と連携して市職員10人を石川県輪島市に派遣、家屋被害認定調査業務など従事しています。また、発災時から市役所本庁、両支所に募金箱を設置、市民の方々からいただいた温かいご支援(4月末現在1,109,148円)は、日本赤十字社等を通じて随時被災地へお届けしています。引き続き、被災地支援に取り組んでまいります。
企画財政課
「アゼリア21」は、昨年9月および12月の定例会で、答申にある黒字化は極めて厳しい旨を報告させていただきましたが、その後、関係企業・団体の方々へアプローチを進めながら、施設存続に向けて、あらゆる可能性を探ってまいりました。
2月14日に一般社団法人熊本県水泳協会、2月19日に大和ハウス工業株式会社東京本社および株式会社東京アスレティッククラブ、4月11日に公益財団法人日本水泳連盟、文部科学大臣政務官、文部科学省施設助成課およびスポーツ庁、5月16日に熊本県庁を訪問、施設の窮状を説明し、最大課題である改修費および維持管理費等の財政支援や、施設買取りの検討も含めて、再開に向けた要望活動や協議、交渉を重ねてきました。
今後も答申に基づき、要望の回答等を踏まえながら、施設存続に向けて、一般公募による民間企業等への売却をも視野に進めてまいります。
阿蘇市の最上位計画である「第2次阿蘇市総合計画」は、半年間期間を延長したうえで、新たな将来ビジョン「第3次阿蘇市総合計画」の策定に取り組みます。策定にあたっては、官民共創のもと、「策定審議会」および「庁内策定委員会」を設置し、住民アンケート調査やパブリックコメント等を踏まえながら、新時代開拓に向けた持続可能なまちづくりの方向性を示し、魅力あふれる新しい阿蘇市づくりを目指していきます。
防災情報課
本年4月に危機管理監を採用、防災対策強化に取り組んでおり、出水期災害に即応可能な庁内の警戒態勢、本部体制を強化し、5月21日に初の職員緊急参集早期出勤訓練、5月22日に熊本県と豪雨対応訓練を実施、6月1日は坂梨地区住民を対象とした防災訓練も実施します。
また、5月28日に防災士をはじめ介護福祉士など専門職35名による「阿蘇市防災士連絡協議会」が発足、地域の防災教育推進、防災訓練企画などを通じ、市民防災意識高揚、自主防災組織の防災力向上に努めます。
お知らせ端末機更新事業は、昨年12月から一の宮、阿蘇、波野各地区一斉に各家庭端末機交換を開始、現在進捗率17%で概ね順調に進んでおり、令和7年度完了に向けて取り組みを進めています。
市民部
福祉課
令和5年度から支給されている生活費必需品価格高騰による低所得者世帯支援給付金は、累計3,571件の支給が完了しました。令和5年度住民税均等割のみ課税世帯分や低所得者子育て世帯分、さらに令和6年度に新たに該当する世帯給付が順次開始となり、引き続き迅速な給付に努めていきます。
健康増進課
新型コロナワクチン接種は、これまで特例臨時接種として全額公費負担でしたが、今年度から季節性インフルエンザと同様、定期接種に位置付けられました。国が定める定期接種対象者は、個人の重症化予防を目的に65歳以上の高齢者の方および60歳から64歳で重症化リスクの高い方と限定され、接種者から一部自己負担の徴収となります。
今後は、定期接種対象者だけでなく任意接種の対象者も含めた秋冬の接種に向け、円滑な接種体制の確保が求められます。そのため、定期接種対象者並びに任意接種対象者のワクチン接種費用一部負担の予算を今議会に上程しています。
今年度4月から帯状疱疹の発症および重症化を予防することを目的に、50歳以上の市民の方を対象に帯状疱疹予防接種費用の一部を助成しています。日々市民の方々からの問い合わせも多数ありワクチン接種に対するニーズの高まりを感じています。高齢化などで帯状疱疹発病率が年々増加傾向にあり、令和6年5月14日現在、22件の申請があっています。予防接種普及は、帯状疱疹発病および後遺症の一つである帯状疱疹後神経痛の予防効果が期待できます。
経済部
農政課
本年作の水稲は、現在ほぼ作付けが完了しています。二条大麦は、雨天による生育不良や病害発生が確認されており、品質、収量の影響を含め、今後の気象状況など注視しながら、農業者の方々の営農意欲が低下しないよう、関係機関と連携、対応を図ってまいります。
次に施設園芸のアスパラガスは、春先低温で出荷量が伸び悩みましたが、栽培管理など生産者努力が実り、安定した出荷につながっています。夏秋トマトは、すでに定植を終え、日照不足で生育不良が心配されるものの、来月には順調な出荷が見込まれています。
観光課
ゴールデンウイーク期間中、仙酔峡や阿蘇山上のミヤマキリシマは、今年、花芽が良く鮮やかに山々を彩りました。また、波野スズラン自生地は1974年の発見から本年50年の節目を迎え、中江岩戸神楽公演などスズラン自生地管理組合の記念事業を支援、多くの来訪者の方々に喜ばれました。
9月7・8日開催する「大阿蘇元気ウォーク」の参加者募集が始まりました。多くの市民の方々の参加を目指します。
まちづくり課
物価高騰が続く中、地域経済の下支えと家計負担軽減を目的に、4月1日から「阿蘇市プレミアム商品券」を販売しています。現在の販売率は約70%であり、地域経済効果がでているものと考えます。商品券は、7月末までの利用期間となっています。より多くの市民の皆様に利用していただければと思います。
熊本地震の教訓を後世に伝えようと4月6日から16日にかけて第2回阿蘇ちょうちん祭が阿蘇神社前公園で開催され、多くの来場者がありました。阿蘇神社では楼門復旧以降、多くの参拝客が訪れ、周辺では交通渋滞や混雑が発生しています。オーバーツーリズムを未然に防止・抑制する計画を作成し、今後対策していく予定です。また、急増する外国人旅行者の対応や人手不足解消を目的に、飲食店等に面的なDX化を推進していきます。
ふるさと納税は、昨年度2億7千万円の寄附がありました。本年度の新しい試みとして、店舗型ふるさと納税を活かした市内ゴルフ場と連携でキャンペーン実施や参画店舗を増やすLINEを活用した支援など、引き続き寄附金受け入れに向けた取り組みを進めていきます。
昨年度、誘致したサテライトオフィス企業と協力し、本市における将来のスマート産業人材育成と、阿蘇中央高校の魅力向上を目的とした産学官連携協定締結を予定しています。
土木部
建設課
中九州横断道路は、「北側復旧道路」と接続する「大津道路」(大津から大津西間)4.8kmの事業化が4月に決定、「滝室坂道路」はトンネルの覆工工事(トンネル掘削面をコンクリートで覆う工事)が5月1日現在、進捗率約94%であり、取り付け道路工事も進んでおり、国土交通省は令和8年度に開通する見通しであると発表しました。
市道維持事業は、成川中通線および下西河原塩井線等幹線道路の舗装整備発注準備に取り掛かっています。
河川維持事業は、出水期前に土砂浚渫等適時発注しています。
住環境課
市営住宅の坊中南住宅建設は、現在、最新単価にて見直し等を行っており、完了次第、県の設計審査を受け、工事発注に向け取り組んでまいります。
教育部
教育課
新年度を迎え新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症も落ち着きを見せる中、5月には市内全小中学校で運動会・体育祭が開催されました。
阿蘇小学校屋内運動場改築工事は、来年1月末完成に向け、4月に基礎杭全55本施工を終え、現在、建物基礎工事を行っています。
阿蘇体育館の空調工事は5月に入札完了、現在、工程調整等を進めており、利用の多い夏休み前の竣工を目指しています。
病院事業
阿蘇医療センター
3月末、国の「持続可能な地域医療提供体制を確保する公立病院経営強化ガイドライン」に沿って、令和5年度から令和9年度を計画期間とする「阿蘇医療センター経営強化プラン」を策定。医療センター内の機能分化・連携強化、病院事業経営強化等に総合的に取り組みます。
診療体制は、4月から「糖尿病・代謝・内分泌内科」、「脳神経内科」、「腎臓内科」、「呼吸器内科」の常勤医が決まり、以前からの要望が多かった「泌尿器科」は非常勤医師(6月から常勤)により開設しています。また、6月からは増加する認知症や児童思春期の気分障害等に対応する「神経精神科」を月2回開設予定としています。
今夏、平成26年開設から10年を迎え、8月3日に10周年記念式典開催を計画しています。
今後とも医療体制充実と医療の質向上に引き続き取り組み、政策医療並びに中核的医療を担う拠点病院として、地域医療確保に尽力してまいります。