新しい地方公会計制度
阿蘇市では、平成27年度決算までは「総務省方式改訂モデル」の財務書類を作成してきました。この改訂モデルの作成方式に代わり、平成28年度決算からは「統一的な基準に基づく財務書類」の作成方式が導入されています。
統一モデル財務書類は、原則として平成27年度から平成29年度までの3年間を準備期間とし、全ての地方公共団体において作成するように要請がありました（平成27年1月23日付総務大臣通知「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」）。阿蘇市はこの要請に基づき、平成28年度決算より、統一モデル財務書類4表（貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書）を作成しています。
（注）制度の詳細については、総務省のホームページ（外部リンク）をご覧ください。
財務諸表4表
新地方公会計モデルの財務諸表は、（1）貸借対照表、（2）行政コスト計算書、（3）純資産変動計算書、（4）資金収支計算書の4表から構成されます。
（1）貸借対照表
会計年度末（基準日）時点で、地方公共団体が保有している財産（資産）と、その資産がどのような財源（負債・純資産）でまかなわれているのかを対照表示した財務書類です。貸借対照表により、基準日時点における地方公共団体の財政状態（資産・負債・純資産といったストック項目の残高）が明らかになります。
表内の左側（資産合計額）と右側（負債・純資産合計額）が一致（バランス）することからバランスシートとも呼ばれます。
（2）行政コスト計算書
一会計期間（4月1日から翌年3月31日までの1年間）において、資産形成に結びつかない経常的な行政活動に係る費用（経常的な費用）と、その行政活動と直接の対価性のある使用料・手数料などの収益（経常的な収益）を対比させた財務書類です。経常的な費用（経常行政コスト）と経常的な収益（経常収益）の差額が、資産形成に結びつかない経常的な活動について税収等でまかなうべき行政コスト（純経常行政コスト）となります。
（3）純資産変動計算書
貸借対照表の純資産の部に計上されている各項目が、1年間でどのように変動したかを表す財務諸表です。
（4）資金収支計算書
一会計期間における、地方公共団体の行政活動に伴う現金等の資金の流れを性質の異なる三つの活動（「経常的収支」、「公共資産整備収支」、「投資・財務的収支」）に分けて表示した財務書類です。現金等の収支の流れを表したものであることから、キャッシュ・フロー計算書とも呼ばれます。